Q&A

個人的法益を侵害する犯罪における刑事弁護では、被害者から示談を取り付けることが刑事弁護活動の中心をなすといっても過言ではありません。起訴前の刑事弁護活動で示談を取り付けることで不起訴処分を取り付けることができます。しかし、常に示談できたからと言って不起訴処分になるわけではありません。示談金の支払いがないゼロ示談はもとより示談金額が低すぎる場合も検察官は罰金刑がある犯罪では略式起訴して罰金刑を科すことが一般と言っていいです。罰金刑がない場合には公判請求、つまり、起訴ということになります。ですから、示談金をできるだけ低額に押されることができたらいいというものではありません。示談金の相場は罰金刑が科される場合の罰金と同等額が目安と考えてください。

事例
友達が逮捕されてしまいました。私が弁護人を付けてあげることはできますか? 

コメント
弁護人選任権を持っているのは,被告人または被疑者の法定代理人,保佐人,配偶者,直系の親族及び兄弟姉妹であり(刑事訴訟法30条),友人には弁護人選任権はありません。したがって,まずは弁護士が接見に行き,本人の依頼意思を確認した上で,本人から弁護人として選任されることになります。

事例
私はブラジル国籍ですが,今回覚せい剤の自己使用で逮捕されてしまいました。事実には間違いがありません。日本から強制退去になってしまうのでしょうか。

コメント
薬物犯罪で有罪判決を受けた場合,執行猶予の有無にかかわらず,退去を強制されることになっています(入管法24条4号チ)。ただし,在留特別許可(入館法50条)を得ることができれば日本にとどまることができます。
なお,薬物犯罪以外の罪であれば,1年以上の懲役もしくは禁錮刑を受けたとしても執行猶予つきの判決であれば退去を強制されません(入管法24条4号リ但書)。

事例
警察からラーメン屋の看板の器物損壊事件の被疑者として取調べのために2回呼び出されていますが,面倒だったため呼び出しに応じていません。1度目は事情聴取の日程を直前でキャンセルしてしまい,2度目は連絡なしで警察署に行きませんでした。担当の警察官からは,これ以上事情聴取に応じないとなると,なんらかの手段を取る必要があると言われています。逮捕されることはあり得るのでしょうか。

コメント
逮捕されることはあり得ます。確かに,事件自体は器物損壊事件と重大犯罪ではありませんが,あなたが正当な理由なく出頭に応じないということになれば,その態度自体が逃亡の恐れ,証拠隠滅の恐れを推定させるからです。日程調整の上自ら警察に連絡し,事情聴取に応じたほうがよいでしょう。

事例現在,半年前の覚せい剤自己使用事件で懲役1年半,執行猶予3年の判決を受け,現在執行猶予期間中なのですが,また覚せい剤に手を出してしまい,逮捕されてしまいました。刑務所に行くしかないのでしょうか。コメント執行猶予期間中に罪を犯した場合,①1年以下の懲役又は禁錮の言い渡しを受け,②情状に特に酌量すべきものがあるときに限り,執行猶予の判決を受けることになります(刑法25条2項本文)。あなたの場合,前回と同様に,しかも半年という短期間で再度覚せい剤を使用しており,反省していないと評価されますし,覚せい剤の自己使用自体,10年以下の懲役と重大犯罪であるので(覚せい剤取締法41条の3第1項1号),今回の裁判で1年以下の懲役の言い渡しを受ける可能性はほぼありません。したがって,実刑判決は避けられないでしょう。

一般論では分かりにくいため、事例をあげて説明します。
事例
友達と居酒屋で飲んでいたところ,5~6名の柄の悪い男たちに絡まれ,友人が一方的に殴る蹴るの暴行を受けました。多勢に無勢でしたし,あまりの暴力にこのままでは友人が殺されると思い,思わず手に取ったワインの瓶で友人の腹を蹴っていた男を殴ったところ,頭蓋骨骨折の重傷を負わせてしまいました。助けるために殴ったということは考慮されますか。

コメント
他人を助けるために行った加害行為について,その行為が「やむを得ずにした行為」すなわち防衛のために必要かつ相当な行為であると認められれば,正当防衛(刑法36条1項)が成立して犯罪は成立しません。もっとも,防衛行為が過剰である場合,つまり「やりすぎ」の場合には正当防衛は成立せず,過剰防衛(刑法36条2項)として刑が減刑されうるにとどまります。
今回の場合,被害者があなたの友人に振るった暴力の態様や程度,あなたがどのくらいの力で殴ったのか,ワインの瓶の重さや固さはどのくらいかなど,様々な事情を考慮した上で,正当防衛又は過剰防衛の成否が決まります。

Q 息子が海外でスースケースを日本に運んでくれたら多額の謝礼を払うと言われて、その指示通りに日本に運び込んだら、税関でそのスーツケースから10キログラムもの大量の覚せい剤が発見されて、覚せい剤輸入罪で逮捕されました。どうしたらいいでしょうか。

A 覚せい剤輸入罪は重罪でしかも10キログラムと多量ですから、すぐに刑事弁護を弁護士に依頼すべきです。

本件では、本人の認識がどうであたったかが問題となります。そこで、捜査官は何が何でも自白を取ろうとして、不当な取り調べをすることが十分考えられます。

  • 取調べにあたっての注意点―記憶と異なることが供述調書に記載されていたら訂正を求めますが、訂正に応じてもらえなければ調書への署名押捺を拒否すること
  • 供述調書作成後に捜査官から調書の読み聞かせがなされますが、必ず自ら調書を手に取って自分で供述調書を読んで内容を確認すること
  • 威迫や誘導など不当な取り調べがあったら弁護士に伝えて弁護士を通して警察、検察官に抗議を申し入れること
  • そのために、日弁連作成の被疑者ノートを弁護士が差し入れて取り調べの都度取調べ状況を記載し弁護士に宅下げして後日供述調書の任意性信用性を争えるようにしておくこと

をおすすめします。

同時に、弁護士は、本人から、本人が具体的に運ぶのを依頼した人物からどういう説明を受けたか、その説明を聞いて本人がどう思ったか、謝礼が高額であったか何ら問題のないスースケースを運ぶ対価として妥当な範囲の金額だったか、などを弁護士が詳細に聞き取り、取調べにあたっての留意点を助言するとともに、違法薬物との認識(故意)がないとの無罪主張をしていくことになります。

ちなみに、最高裁判決平成15年2月14日は、窃盗の逮捕令状を携帯・提示せずに逮捕して連行した警察署で尿検査をしたところ、尿から覚せい剤が検出された事案で、「本件採尿は、本件逮捕の当日になされたものであり、その尿は、・・・重大な違法があると評価される本件逮捕と密接な関連を有する証拠であるというべきである。また、その鑑定書も、同様な評価を与えられるべきものである」として、違法収集証拠の理論をもって、尿の鑑定書を証拠から排除しています。

Q 自宅で家宅捜索されて、自室から覚せい剤が発見されて押収されて、覚せい剤所持で起訴されてしまいました。何とかならないでしょうか。

A 捜索令状を示されず内容も読まれないでいきなり家宅捜索がされた場合には、押収された覚せい剤を違法収集証拠として排除することが可能です。

覚せい剤を自宅で所持していたこと、覚せい剤の認識があれば、実体法上は覚せい剤所持罪が成立します。

しかし、その覚せい剤の押収にあたり、捜索令状を示されず内容も読まれないでいきなり家宅捜索がされた場合には、令状主義の精神に著しく損なう重大な違法があったものとして、押収された覚せい剤を違法収集証拠として排除することが可能です。

覚せい剤自体が証拠から排除されるのですから、公判で無罪判決を勝ち取ることが可能となります。実際問題として、このような違法捜査が行われる可能性は極めて少ないと言えます。

しかし、稀ですが、実際にあるのも事実ですから、手続きが適正に法令に則って行われたか、法令を知らなくとも、手続きを記憶しておくことは意味のあることだと思います。

Q 覚せい剤使用、同所持罪自体については認めていますが、何とか執行猶予刑にならないでしょうか。

A 初犯であれば、所持している覚せい剤が多量で営利目的でない限りは執行猶予判決となります。

覚せい剤事案の量刑は、初犯かどうか、再犯だとして前刑からどのくらい時間が経過しているか、使用頻度、所持量、薬物の入手経路の申告・説明の有無、薬物依存からの立ち直りの可能性の程度などを総合考慮して量刑がなされることになります。

初犯であれば、所持している覚せい剤が多量で営利目的でない限りは執行猶予判決となります。

再犯の場合には、原則として実刑判決となります。もっとも、前刑から6、7年以上経過している場合には前刑は量刑にあたり考慮されず実質初犯として執行猶予判決が下される可能性があります。前刑からさして時間が経過していなくとも、上記の諸要素を考慮して執行猶予判決がつくこともあります。

覚せい剤は被害者のいない犯罪ですから、個人的法益を侵害する犯罪と異なって弁護活動では示談を取り付けることはありません。その代わりに、贖罪寄付をすることがよく行われています。

Q 盗撮をしたら、どんな罪に問われるのですか?また、刑罰はどうなるのでしょうか?

A 懲役2年以下または罰金100万円以下など、重い刑が科せられます。

盗撮の大半は駅構内でエスカレーター乗車中に前の女性のスカートの中を携帯のカメラか小型デジカメで無断で撮影するものです。中には、女性トイレに立ち入っての盗撮などもまれにあります。

この盗撮行為は迷惑行為防止条例違反として処罰されます。

東京都の迷惑防止条例

  • 盗撮の場合は懲役1年以下または100万円以下の罰金
  • 常習の場合には、懲役2年以下または罰金100万円以下

神奈川県、埼玉県、千葉県の迷惑防止条例

  • 懲役6月以下または罰金50万円以下
  • 常習の場合には、懲役1年以下または罰金100万円以下
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依頼しやすい料金設定に努めております。

緊急接見費用5万円

罪を認めている事件(裁判員裁判以外)の場合

起訴前弁護の場合
着手金:20万円
報酬金:30万円
起訴後の依頼の場合
着手金:20万円
報酬金:30万円

外国人事件取扱い、通訳費用別途

表示価格は、税実費別となります。

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